詩「頬」( 竹内てるよ )を読んで
詩人竹内てるよ(1904~2001)の代表作「頬」
今を去る10年前、2002年9月30日の毎日新聞夕刊に、彼女の「頬」という詩が載り、久々に彼女がマスコミの話題となりました。
詩は次のとおりです。
生れて何も知らぬ 吾子の頬に
母よ 絶望の涙をおとすな
その頬は赤く小さく
今はただ一つのはんんきやうにすぎなくとも
いつ人類のための戦ひに
燃えて輝かないといふことがあらう
生れて何もしらぬ 吾子の頬に
母よ 悲しみの涙をおとすな
ねむりの中に
静かなるまつげのかげをおとして
今はただ 白絹のやうにやはらかくとも
いつ正義のためのたたかひに
決然とゆがまないといふことがあらう
ただ自らの弱さといくじなさのために
生れて何も知らぬわが子の頬に
母よ 絶望の涙をおとすな
(「はたんきやう」は「巴旦杏」でスモモの一種です。なお、この「頬」は収録された本によって詩形に違いがありますが、上記は2002年秋にこのニュースを受けて家の光協会から復刊された自伝『海のオルゴール』に載っている形です。)
―あるブログから引用―
所感:
わたしは、今は亡き母を思い出す。
この詩の状況と酷似しているのだ。
なぜか。
夫の突然の死の知らせを受けたのだ。
母は、生まれだばかりの赤子のわたしを抱いていた。
絶望の中で。
わたしは、その後、人類の救世主・再臨のキリストと出会うこになるのである。